~建物状況調査(インスペクション)について 平成30年4月施行の宅建業法では、既存住宅(中古住宅)について宅建業者がインスペクションを行う者のあっせんの可否を示し、媒介依頼者の意向に応じて売買の媒介契約書(34条書面)に「建物状況調査を実施する者のあっせん」に関する事項を記載することが義務づけられました(第34条の2第1項)。 国土交通省によると「あっせん」とは単なる情報提供ではなく、媒介依頼者とインスペクション業者の間で建物状況調査の実施にむけた具体的なやりとりが行われるように手配することを宅建業者に求められるとされています。また重要事項説明時に建物状況調査の結果の概要、建物の建築・維持保全の状況に関する書類の保存状況を重要事項として説明(第35条第1項)。 37条書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載(第37条第1項)。 改正宅建業法の目的は不動産取引のプロである宅建業者が、専門家による建物状況調査(インスペクション)の活用を促すことで、売主・買主が安心して取引ができる市場を整備することで市場に良質な住宅を流通させるのが目的とされています。 宅建業法に規定するインスペクションは、既存住宅状況調査技術者(国の登録を受けた既存住宅状況調査技術講習を終了した建築士)が基準に基づき行う調査のことです。 一般的な建物状況調査=インスペクションとは住宅に精通した専門家が第三者的な立場からまた専門的な見地から住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用等を見極めてアドバイスを行います。インスペクションを実施することのメリットは未然にトラブルを防ぐこと、診断結果が中古住宅購入後のリフォームを行う箇所や範囲などの判断材料として活用出来ることなどが挙げられます。米国では州によって異なりますが取引全体の70~90%の割合でインスペクションが行われ日本でも近年、急速に普及し始めています. ひとつのンスペクションの流れとして建物の周囲を上から下までじっくり観察し建物の基礎や外壁、軒下、屋根など外観を観察する事で欠陥や不具合に関するサインが出ていないかをチェックをする。具体的には、基礎にひび割れがないかとか、軒下に雨漏りの跡がないかとか、屋根が劣化してないか、という点を確認する。 また各室内の水平垂直状態のチェックのため窓やふすま、ドアや引き戸などの建具ひとつひとつ動かして建具の動きがスムーズか否か確認する。もしスムーズな動きでない場合建物が歪んでいるかもしれないと推測できるからです。 建物が歪む理由にはいくつかありますが経年劣化で床がたわむというようなものから地盤の半分が沈みこんだ結果、建物が斜めに歪むというようなもの(不同沈下)まで考えられます。 排水においても各部屋の水道をひねって水を出してみたり、きちんと排水されるかなどをチェックしていく。雨どいに土が溜まっていると雨水がきちんと排水できず、建物内部に水が染み込む原因になります。「客観性・中立性」の重要性インスペクションにおいて一番大事な点は住宅診断が第三者的に行われたかどうかということになります。 |